受験ノウハウ

平川先生の小論文講座㉕  ― 「食の安全」と「国の責任の重さ」 ―

本日は、平川先生の小論文講座第25回目をお届けします!

[設問]横浜市立大学医学部 2008年度(60分)
「『食品の安全』にかかわる問題が散見されています。これを確保するために、
どうしたらよいか。
あなたの意見を1,000字以内にまとめて述べなさい」

[これまでの話]
前回、「食品の安全」の当事者として、供給者・需要者・国の三者が挙げられることを指摘し、供給者と需要者(消費者)の問題点について考えてみました。
今回は、残りの主体である「国」の課題について検討し、その後、文章を書きあげます。

[今回(25回目)]
「国の責任の重さ」

平川先生「『食品の安全』における当事者として、最後に『国』が問題となります。
どんな点が指摘されるでしょうか」

A君「はい、『国』は、供給者に対して、一応の管理・指導体制を取っています。
しかし、実態はどうか。供給者と需要者である消費者との間に立ち、安全な食品を確保するという視点が弱いように思われます」

平川先生「そうですね。『国』は、いつも消費者やマスコミからの反響があってから、重い腰を上げる、という感じですね」

A君「そうです。したがって、『国』の課題としては、迅速性が求められます。
常に、テキパキと『公共の福祉』の視点、すなわち、『みんなの幸せ』を推し進める立場に立った行政を、行えるかどうかです」

平川先生「その通りですね。概ね、構成としては十分です。
では、早速,答案を書き上げましょう。今から、実際の試験場でかかる答案構成の時間、15分を除いた、残り45分ほどで書いてください」

A君「はい、分かりました」

[しばらくして]
以下が、A君の書き上げた答案です。

1、「食品の安全」とは、食品自体とその生産・流通・消費・廃棄のプロセスで、危険がないことをいう。その目的は、人間らしい生活をするために、健康的な飲食を確保することにある。
2、「食品の安全」の問題に関わる主体は、⑴供給者である農家・漁業家などの生産者と企業、⑵需要者である個人と企業、⑶国が挙げられる。
⑴供給者
食品自体の安全性について、供給者は、人の健康より利益を優先しがちである。そのため、ともすれば①大量の農薬・防腐剤などの添加物を使用して生産したり、②遺伝子組み替え農作物を作りがちである。
プロセス自体の安全性においても、健康より効率を優先する傾向にある。③加工・製造の過程で添加剤を使用し、④保存に防腐剤を大量に使い、さらに、⑤賞味期限切れ製品の流用や、⑥製造日の偽装などのずさんな管理も、後を絶たない。
供給者の注意点としては、「社会的責任」を自覚する必要がある。その責任を果たすことなしに、今日の経営は成り立たない。いたずらに利益優先主義に陥らない。正常な利益を得ることを旨として、コンプライアンス(法令遵守)を堅持し、アカウンタビリティー(説明責任)を果たすことを最優先すべきである。
⑵需要者
需要者は、食品の購入時、安かろう、悪かろうで臨む安易な姿勢がある。農薬・防腐剤が大量に使われた添加物や遺伝子組換え農作物でも、とにかく安くて、手に入りやすければ、「食品の安全」は、二の次という傾向が強い。そのため、カロリー過多、塩分過多、添加物の影響により、多くの国民が肥満になり、高血圧・心臓病、糖尿病やアトピー等の皮膚病にかかる傾向にある。人の健康が著しく害される状況にある。
需要者の注意点としては、「賢い消費者になる」ことである。健康を最優先し、質の良い自然な食事をとること。さらに、供給者の社会的責任について、常に監視し、責任を追及する姿勢を持つ。健康を維持し、医療の世話にならないように、自らが、心がけることである。
⑶国
国は、供給者に対して、一応の管理・指導体制をとっている。しかし、供給者と需要者との間に立ち、安全な食品を確保するいう視点が弱い。
そこで、国の注意点としては、公共の福祉(みんなの幸せ)を推進する立場に立ち、食品の質、量、価格などを適正にチェックすることに責任を持つ。長期的に安全な食品の提供がなされるように、行政を行うべきである。    (980字)

平川先生「合格答案です。当事者としての主体を,供給者・需要者・国と三者に分けた上で、『食品の安全』の過程の問題を関連させて検討してあります。整理して書くのに,ずいぶんと苦労したと思いますが、よくまとめられています」

A君 「ありがとうございます」

平川先生「さて、この講座も今回で25回を迎えました。
医学部入試まで4ヶ月ほどとなり、各予備校の記述模試、小論文模試も始まり、センター試験出願も迫ってきました。いよいよ、入試シーズンが到来します。
そこで、本講座では、次回より小論文の基礎に戻り、出題の意図の捉え方、
答案構成のしかた、メリハリある書き方をお伝えしたいと,考えます。
過去問を使った合格答案例をお見せし、来年・医学部を受験するあなたに、
合格に直結する内容をお伝えします。
次回からの連載を、お楽しみに」

[小論文作成のヒント]

「よいリズムの文章を書く」

医学部・小論文では、どんなに立派な考えを持っていても、採点者に読んでもらわなければ意味はありません。
読んでもらうためには、文章が分かりやすく書かれていることが、大切です。リズムよく読んでもらえる文章であることが、大事です。
では、文にリズムを付けるポイントとは、何でしょうか。
それは、書き出しを魅力的にすることです。
まず、文頭に、ズバリ、問題点あるいは結論をもってくる。
次に、一文を短くし、文章にメリハリを付ける。
読点の打ち方を工夫し、接続語を使いすぎず、文末に変化を付けることです。

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「平川先生の小論文講座」監修
スクール東京 
最高名誉顧問
成川豊彦
~~~~
略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。

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