［今回の過去問］
愛知医科大学〈小論文一日目〉(2016年度)
以下の判じ絵を見て次の問いに答えなさい。
1)この絵は何を示した絵か推測し、その理由を 100 字以内で書いてください。 2)この絵に描かれた 2 つの素材を用いて「人を愛するということはどういうことか」を 500 字以 内で書いてください。
［第41回］
先週から愛知医科大学の問題を、検討しています。
一見すると、何を聞いているのか分からない問題でも、1つ1つ出題文に沿っていけば、難しいことはありません。
今回は、前回での議論を踏まえて、答案構成（どんな項目を、どのような順番で書くかのメモ書き）を行います。
〈注〉１月22日の国際医療福祉大学･医学部、愛知医科大学を初めとして、全国の私立大学･医学部の入試が、いよいよ始まります。
そこで、前回より、ユニークな出題で知られている愛知医科大学を取り上げています。
典型的な医学部・小論文の対策とともに、どうしたら｢奇抜」と思えるような問題に応えることができるか、スク男君と議論を進めています。
愛知医科大学を始め、同様の傾向の出題をする医学部・小論文への対策となれば、幸いです。(平川治）
「設問に沿って、丁寧に書く」
▼平川先生「奇抜で、何を聞いているのか、見当が付かないといわれる出題も、
設問文に沿っていけば、この絵からどんな言葉が読み取れるのか、
聞いているだけだということが分かりました。
では、先週のおさらいです。
何で、こんな風変わりな事を聞いているのでしょうか」
スク男「ちょっと見ると複雑な事柄に、冷静に対応できる力があることが、
医師には不可欠だからです」
▼平川先生「そうです。愛知医科大学は、『入学者受け入れの方針』（アドミッシ
ン･ポリシー）の中で、小論文試験の目的を『医師として求められる倫
理的価値判断，感性，コミュニケーション能力などを判断するため』に
行うとしています。
小問1）はまさに、相手の主張を読み取ることができるか、コミュニケ
ション能力の有無を聞いているということになりますね」
スク男 「はい。風変わりな出題の目的が、実は、医者にとっての重要な
資質を確認するためにあるのだと分かって、気が楽になりました」
平川先生「そうですか。さて、愛知医科大学の小論文の出題意図が見えたところで
先週の続きを始めましょう」
スク男 「はい、『きり』は、物に穴を開ける道具です。『くもの巣』とは、
くもが、獲物を捕まえるために張る網状で粘着性のある糸です。
そこから、人に対する場合に、『きり』のように尖った態度でいたら
どうなるか。傷つけるだけだ。ただ、鋭い態度だけでは、人を愛す
ることにはならない、というようなまとめ方をしたいと思います」
平川先生「はい、うまいまとめ方ですね。では、『くもの巣』については、
どうですか」
スク男 「『くもの巣』とは、くもが獲物を捕らえるための道具です。捕らえられ
た相手は、自由を全く奪われます。人を愛するつもりで、相手を必要以上
に束縛して、自由を奪ったとしたら、これは、もはや愛とはいえない。
こんな具合につないでいこうと、思います」
平川先生「いいですね。そろそろ、時間です。では、次回は書き上げましょう」
スク男「はい、分かりました。今回は、出題意図が分かり、随分気が楽になりま
した」
平川先生「出題者の意図をつかむ。そうすれば、小論文なんて難しくはないでしょ
う。あとは、論理を踏まえた答案を、書き上げることですね」
スク男 「はい、今日はありがとうございました」
平川先生「いえ、こちらこそ。センターまで、あと１０日ほど。この勢いで、
合格を勝ちとりましょう」
スク男「はい、頑張ります」
平川先生「では、今日はここまでとします。読者の皆さんも、健康には十分気をつ
けて、あと少しだけ頑張りましょう。来週をお楽しみに」
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平川先生の小論文講座４１
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
～～～～
略歴
昭和49年（1974年）
Ｗセミナー・グループを設立。
平成12年（2000年）
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年（2009年）
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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