[今回の過去問]
杏林大学・医学部2014年度
近年、 学校や職場における「いじめ」が、大きな問題となっています。こうした
学校や職場における「いじめ」について、あなたはどのように考えるか、800字
以内で述べて下さい。60分
【これまでの話】
今回から、社会的に問題となっている「いじめ」について、杏林大学・医学部の過去問
を題材に、考えてみます。
[第74回]
「“いじめ”の根っこにあるもの」
A子 「よろしくお願いします」
平川先生「こちらこそ。さて、学校や職場における『いじめ』について、医師を目指す者として、
どう考えるか、とういう設問です。まず、現状がどうなのか認識を持つことが大事です
ね。認知件数、年間41万4378件(2018年度)です。過去最多数を、更新しました。
2013年、政府は『いじめ防止対策推進法』を定めて、地方自治体や学校に対策を取
るように求めています。しかし、実際は学校の取り組みが形骸化していて、改善が進ん
でいません」
A子「やはり、そうですか。私の中学校時代の知り合いで、『いじめ』に会ったのに、学校側が
加害者の方ばかり気にして、結局、被害者である彼女は、他校に転校させられたことがあり
ました。
『なんで、いじめた方が大きな顔をするのか』と、理不尽に思ったことを覚えています。
教育関係者の無責任さも感じます。少なくとも、私たち世代は、度重なる学校側の態度に、
不信感を持つようになったことだけは、確かです。特に、公立小中学校の教師への信頼感
は、ありません。信用しているのは、一生懸命教えてくださる塾の先生方です。
私も、そうです。現に、こうやって卒業した公立高校には相談せずに、平川先生に小論文
の指導を受けています」
平川先生「うーん、なんといっていいのか、返事に困りますね。私たち塾・予備校の講師を信じ
てくださるのは、うれしいのですが・・・・・。
検討を続けます。いじめとは、自分より弱い立場にある者を肉体的・精神的に苦しめ
ることをいいます。政府は、『いじめ防止対策推進法』で、このような行為を禁止し、
行政や学校、職場等の関係者の責任を明らかにし、不正な行為の根絶に向かうことを宣
言しました。
しかし、現実には依然、いじめによる事件は後を絶ちません。関係者の無責任な対応
は、減っていません。そんな中、医者としてはどのように対処すべきだと、A子さんは、
考えますか」
A子「いじめの原因を、考える必要があると思います。スマホのSNSに代表される希薄な人間
関係すなわち、自分本位で相手の目線に立てない、一方通行の会話。互いに表面的な付き合
いだけの精神的に未熟な人が増えていることが、根底にあるように思います」
平川先生「うん、よく考察していますね。上っ面で未成熟、相手を思いやることができない自己
本位の人間の増加、この辺が原因でしょう。かつての携帯、そして現在のスマホ、タブ
レットと、ITの発展で情報化社会が進んでいるのとは、反するような現象です。
私も子供が、いじめに巻き込まれたことがあるので、当事者と家族の苦しみは、よく
分かります。
さて、本題に戻ります。設問は、いじめについて、医師をめざす者として、どう考え
るかを聞いています。医者しかできないこととは、何でしょうか。
身体的・精神的な面での変化をつかみ、異常があれば、直ぐに行政等の機関に連絡す
ることだと思います。
まずは、医療関係者が、けが、打撲、精神状態等をチェックし、行政や場合によって
は、警察に連絡し早期発見に協力する。そして、いじめを受けた児童、職場の従業員へ
の精神面での治療を行うことが、重要だと思います。カウセリングの手法が効果的だと、
聞きます。
A子「わたしは、原因を踏まえて、医療関係者としては、対応を『いじめ』が顕在化する前と
後に分けて捉えることが、大事だと思います」
平川先生「なるほど。そうですね。医療機関として、患者を普段から診ているので、校内医や
街の開業医、地域の病院、会社の保険医等は、事件として成り立つ前から、いじめ
被害者の精神面・肉体面の変化や異常を予測し、予防することが可 能ですね。
彼ら・彼女らの、精神的、肉体的な変化が著しい場合には、⑴素早く学校、職場、
そして行政、警察等に連絡する。次に、⑵事件とされた段階では、引き続き、関係機関
と連携し、肉体面だけでなく、精神面でのケアを施していく。
事前の対応だけでも、いじめから救われる人は、かなりいると思います。
A子さん、事前と事後とは、なかなかよい視点ですよ 」
A子「はい。ありがとうございます(嬉しそうに、微笑む)」
平川先生「さて、こんなところでしょうか。早速、答案構成(答案の柱を図示したりして、
メモ書きしたもの)をしてみましょう」
‥‥‥‥‥‥‥‥10分後。
A子「はい、できました」
以下が、答案構成です。
平川先生「お疲れさまでした。大まか、これで結構です」
A子「ありがとうございます」
平川先生「さて、今日も時間が来ました。来週は、早速A子さんに答案を書いてもらいます。
お楽しみ」
【今回のポイント】
「答案構成ができれば、あとは書くだけ」
設問をよく読むことで、出題者の意図はつかめました。
大事なのは、どう書くかです。
そこで、役に立つのが答案構成です。記述の柱となる事柄を表や図にして整理することです。
答案の構成を作る中で、何をどう書くかが、見えてきます。
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平川先生の小論文講座58
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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