受験ノウハウ

平川先生の小論文講座43―近畿大学・医学部(2011年度)―

[今回の過去問]
 近畿大学・医学部(2011年度) 40分
  論題:「チーム医療」について
  (注) 横書きで400字(20字×20行)以内にまとめること。

[第43回]
昨日(1月22日)の国際医療福祉大学、愛知医科大学を皮切りに、いよいよ医学部の入試が始まりました。
今回から数回に渡っては、医学部・小論文における典型的な論点を取り上げていく予定です。当講座が、あなたの本年度における合格に、少しでも役立てられれば、光栄です。夢を、必ず実現1

「1行問題は、まず定義から」


▼平川先生「さあ、センター試験も終わり、いよいよ医学部の入試です。
     スク男君、調子の方はどうですか」

スク男「ええ、まあまあです。一浪しているので、多少焦りもあります。でも、
    この講座で、先生に指導していただくようになってから、落ち着いて
    勉強できるようになりました。
    教えていただいているのは、小論文ですが、勉強そのものも、
    以前より力まず、マイペースでできるようになってきました」

平川先生「そうですか。それはよかった。ところで、マイペースとは、どういう
     ことですか」


スク男「はい、じっくり考えて勉強することが、できるようになったということ
    です。
    以前までは、英語、生物、化学等、とにかく、問題を隅から隅まで
    何度もやりまくる。そして、出題パターンを覚える、忘れたら覚える、
    また忘れるという、繰り返しの勉強でした。
    一日中追い立てられているような、感じでした。
    それが、出題者が何を求めているか、を考えるようになって実は、
    基本プラス現場思考の勉強が、大切だ。その場の応用力を付けること
    が、大事だ。覚えることは、ほんの少しだということが、分かりま
    した」

▼平川先生「なるほど、あなたの言うマイペースの意味が分かりました。
    そうです、記憶ではなく、考える力、論理的思考力です。
    まさに、小論文の出題者が求めているものと、同じです。
    スク男君は、大切なことに気きましたね。
    この1年間は、決してむだではなかったということだね。

    さあ、それでは今回の問題を見てみましょう。1行問題です。
    『チーム医療』について、どう考えるかという設問です。どうですか」

スク男「答案構成としては、まず『チーム医療』の定義、そして、なぜ問題と
    なるのか、どうあるべきかという具合に、自分の考えをまとめます」

平川先生「答案の組み立てとしては、そんなところでしょうか。
    では、具体的に考えていきましょう。
    もちろん、『チーム医療』の定義なんて、受験生で、覚えている人
    などいません。自分なりに、この言葉から検討してみてください」

スク男「はい、そうですね、チームで医療ということから、『チーム医療』とは、
    医師・看護師・薬剤師等の医療従事者が、患者と対等な立場から情報の
    交換や意見のやり取りをして、集団として治療にあたることをいう、と
    思います」


平川先生「そうです。よく考えました。十分です。では、なぜ、近畿大学(医学部
    は、『チーム医療』を問題としたのだろう」

スク男「うーん、何だろう。高齢化で、患者の病気が必ずしも1つではない。
    例えば、ガンを患う患者が、高齢のため認知症でもある場合、診療科は内
    科だけでなく、精神科も関わることになります。その場合、2つの診療科の
    医療スタッフの協力関係が不可欠です。こんなところでしょうか」

平川先生「なるほど。それとともに、医療技術の高度化・専門性からくる必要性も
    ありますね」

スク男「そうか、ブラック・ジャックみたいに、1人でなんでもやっちゃう医者
    は現実にはありえない、ということですね」

▼平川先生「そうです。さて、『チーム医療』の定義、その背景が明らかになりま
    した。次回はここからまとめ上げ、答案を完成させましょう」


スク男 「はい、今日もありがとうございました。来週も、よろしくお願い
    します」

平川先生「承知しました。夢を実現するために、
    あと少しだけ頑張りましょう!来週もお楽しみに」

【合格する小論文のヒント】

「なぜ、を忘れない」
1行問題は、まず出題テーマの定義を書きましょう。その上で、なぜ、そのテーマが大事なのか、今回の平川先生とスク男君のやり取りのように、考えてみましょう。出題意図が見えてきます。あとは、定義を踏まえて、問題点(背景)、そして自説という具合にまとめられれば、十分です。

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平川先生の小論文講座43 監修
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
~~~~
略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。

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