[今回の過去問]
日本医科大学(医学部) 2009年度
「医療における偏見」について考えることを600字以内で記述しなさい。60分
【これまでの話】
前回から、日本医科大学(医学部)の1行問題を検討しています。
[第82回]
「直ぐに書き直す」
A子 「よろしく、お願いします」
平川先生「こちらこそ。さて、前回は答案構成をしました。さっそく、書いてみましょう」
〈注〉答案構成とは、出題文で問われている事柄について、重要語句の定義、問題点を整理し、表にしたものです。答案として書くべき事項を、簡単にしたものです)
A子「はい、分かりました」
〈以下が、前回A子さんが作った答案構成です〉
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〈以下が、A子さんが書いた答案です〉
偏見とは、偏った見方、ゆがめられた考え方や、特定の個人・集団に対して抱く、非好意的な意見や判断をいう。例えば、女性差別、人種差別等が、その代表的なものである。
医療における偏見とは、特定の病気を有する患者に対する非好意的な意見・判断のことをいう。
ハンセン病が、その代表例だ。
1931年の「癩(らい)予防法」により、終身隔離・患者撲滅政策が強行された。治療法が確立されつつあった1950年代になっても強制隔離政策を永続・固定化する「らい予防法」が制定され、96年まで継続していた。
社会的偏見、生活基盤の欠缺(けんけつ)により、現在も、すでに完治した1,000人以上もが全国13カ所の国立ハンセン病療養所に暮らしている。
病への偏見が、21世紀の今日にも、依然まかり通っている。
しかし、なぜこんな思い違いが、これまでまかり通ってきたのか。
無知と誤解が原因だ
ハンセン病は、皮膚感染で、少しでも接触したら病気に感染すると、信じられていた。 実際は、感染力は弱く、完治できる病気である。
だからこそ、医療関係者は、ハンセン病のいたましい例を肝に銘じる必要がある、病気に対する正しい情報を発信し、人々を啓発する役割を持っている。
特に、今の時代、SNSで、誰もが一瞬にして世界に情報を発信できる。フェイク・二ユースの弊害も、ここ最近問題になっている。
医療を志す者の役割は、これからますます大きくなると、私は考える。
(599字)
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平川先生「一通りのことは、書けていますね。ただ、後半の部分が、少し論理が雑ですね。どうして、医療を志す者の役割が、大きいのでしょうか」
A子「それは、医者は患者の治療をするばかりでなく、治療を通して病への予防も
する役割を持っていると考えるからです。本当に病人の治癒を目指すなら、
再び同じ病気にかからないように、健康になるための助言をすべきと思いま
す」
平川先生「なるほど、確かに。せっかく、病気が治っても、また病がぶり返した
ら意味ないですものね。その辺りを一言入れてください」
A子「はい」
平川先生「では、アドバイスを参考に、書き直しましょう」
A子「分かりました」(緊張した面持ちで、机に向かう)
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〈下の文章が、A子さんが書き直した答案です〉
偏見とは、偏った見方、ゆがめられた考え方や、特定の個人・集団に対して抱く、非好意的な意見や判断をいう。女性差別、人種差別等が、その代表的なものである。
医療における偏見とは、特定の病気を有する患者に対する非好意的な意見・判断をいう。
ハンセン病が、その代表例だ。
1931年の「癩(らい)予防法」により、終身隔離・患者撲滅政策が強行された。1950年代に「らい予防法」が制定され、96年まで継続していた。
社会的偏見、生活基盤の欠缺(けんけつ)などにより、現在すでに完治した1,000人以上もが、全国13カ所の国立ハンセン病療養所に暮らしている。
病への偏見が21世紀の今日にも、依然まかり通っている。
しかし、なぜこんな思い違いが、これまでまかり通ってきたのか。
無知と誤解が原因だ。
ハンセン病は、皮膚感染で、少しでも接触したら病気に感染すると、信じられていた。実際は、感染力は弱く、完治できる病気である。
医者は患者の治療をするばかりでなく、治療を通して病への予防もする役割を持っている。本当に病人の治癒を目指すなら、再び同じ病気にかからないように、医師は、正しい情報を発信し、人々を啓発する役割を持っている。健康になるための助言をすべきだ。
特に、今の時代、SNSによるフェイク・二ユースの弊害も、問題になっている。
医療を志す者の役割は、これからますます大きくなると、私は考える。
(586字)
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平川先生「ええ、書き直しの部分により、ちゃんと論理が流れるようになりまし
た。合格です」
A子「ありがとうございます。ほっと、しました(「ホッ」と、ため息をつく)」
平川先生「A子さん、てきぱきとできるようになりましたね。随分、力がついてき
ましたよ。この調子で、来週も頑張りましょう」
A子「はい。ありがとうございます。先生のご指導のおかげです」
平川先生「そう言って、頂けるとこちらも指導のしがいがあります。そろそろ、
時間です。
では、来週からは国立大学・医学部の過去問を検討します
お楽しみに」
A子「今日は、ありがとうございました」
【今回のポイント】
「合格の反対は、不合格ではない。『諦める』ことだ」
勉強の進み具合は、どうですか。
前回も述べましたが、模試はあくまでシュミレーションです。本番ではありません。と言っても、気になるもの。ついつい点数に振り回されます。「やっぱり、無理なのでは」「志望校を下げたほうがいいのでは」と、「諦め」の声が聞こえます。
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スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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