[今回の過去問]
岡山大学(医学部医学科)2010年度目標45分
以下のエピソードを読んで、医師を目指す立場からあなたの感想と意見をまとめなさい。
(600字以内)
真央は医師免許取得後2年の初期研修を経て、3年目から小児科医として働きだしたばかりの若手医師である。
ある日新幹線に乗車中、車内アナウンスがあった。
「急病人が6号車で出ました。どなたかお医者様はおられませんか。」
真央は、はっとしたがすぐに躊躇した。
「子供の病気なら少しはわかるけど、大人の心筋梗塞とかだったら困る。」
そうしている間に、通路を見るからに医者らしい中年男性が腕まくりしながら6号車の方へ向かって行った。それを見た真央は少し安心しながらも、また別の心配が心をよぎった。
「子供だったらどうしよう」
そう思っている間に、再びアナウンスがあった。
「病人を降ろすために次の駅で臨時停車します。」
病人と思しき人物が、プラットホーム上待機した車椅子に乗せられるのが見えた。程なく、安堵に包まれた様子で先ほどの男性が戻って来た。真央は、ほっとすると同時に複雑な気分だった。
[第52回]
2019年度の入試も終わりました。さあ、次はあなたの番です。来年の合格に向けての勉強が始まりました。これから1年間、しっかりと小論文の力を付けていきましょう。
さて、今回からは岡山大学(医学部医学科)の問題を取り上げます。テーマは、ドクター・コールへの対応です。
「ドクター・コールに応えない医師」
A子 「こんにちは、今週もよろしくお願いします」
平川先生「はい、今回から岡山大学(医学部医学科)2010年度、
ドクター・コールの問題をとりあげます。
A子さん、ドクター・コールって、知っていますか」
A子 「えーと、電車や飛行機で、具合の悪くなった乗客が出た時に、
乗り合わせたお医者さんに対処を頼む呼びかけのことですか」
平川先生「ええ、そうです。誰もが1度は、聞いたことがあるのではないでしょうか」
A子 「はい、私も高校1年生の時に、通学途中の車中で急病人が出たので『どなたか、
お医者様はいませんか』と呼びかけているのを聞いたことがあります」
平川先生「それでどうなりましたか」
A子 「その時は、偶然にも中年の男性のお医者さん
1人と女性の看護師さん2人いらして、対応されていました」
平川先生「そうですか。それはよかった。10年ほど前の調査では、実際にドクター・コー
ルに応える医師は、30%程で、更に『もう一度呼ばれたら駆けつけるか』との問
いに対しては、70%が次回は、『駆けつけない』との調査結果もあります。
プライベートな場面まで、医者としての責任を負わされるのはたまらない』
ということでしょうか。目の前に病に苦しんでいる人がいるのに、見て見ぬふり
をする。医師としての社会的責任、自覚がかなり低下してきているといえるでし
ょう。ドクター・コールを避ける傾向は、特に20代30代の若手医師に強いと
のことです」
A子 「え、そうなんですか。私、てっきり年配の方が、今更面倒な事に関わりたくないと
言って、避けると思っていました」
平川先生「いえ、事態は逆です。若い医師ほど、ドクター・コールを嫌がる傾向が強くな
っています。とても、残念なことですね。
医学部の偏差値が高くなって入試が昔より格段と難しくなったことを、勘違い
しているのか、自分たちは病人とは別の人種ぐらいに思っている傾向があります。
反面、大変なことは避ける、楽をしようというムードが強いようです。先日
も、千葉大医学部の研修医2人が、女性に対して薬を使って準強制性交して
逮捕された事件が報道されていました。彼らは、悪びれず何の反省もしていないそうです。
こんなところにも、偏った受験勉強の弊害が出ています。
かつて、医者とは病人を助ける弱者の味方とのイメージが強かったのですが、
最近は高収入の就職先というぐらいの意識で、医師になる人も少なくないようです。
近時、医療崩壊の問題と関連して、外科等のリスクが大きく責任の大きい診療
科を避けたり、都市部の大病院にばかり勤務が偏る等、医者としての自覚に欠く
医療関係者が増えているという指摘もあります。
今回の岡山大学(医学部医学科)の問題は、そんな医者としての自覚を問う問
題です」
A子 「はい、医師としての意識ですか。かなり深刻な問題なんですね」
平川先生「ええそうです。次回は、『ドクター・コール』とはどういうものか、その定義
を明らかにして、問題点を指摘し、答案構成を作ってみましょう。
A子さんも、自分が医者になり急病人が出た現場にいるつもりで、問題を考え
てください」
A子 「はい、分かりました。今日はありがとうございました」
平川先生「こちらこそ、ありがとうございました。では来週も、合格目指して頑張りましょう!」
【合格する小論文のヒント】
「社会的出来事に、関心を持とう」
今回のテーマのように一件唐突な課題にも、医学部・小論文の出題意図にはそれなりの問題意識が隠されています。社会的な背景があります。
普段から、世の中の出来事にも関心を持つようにしましょう。せめて、新聞の見出し、朝のニュースは見るようにしたいですね。
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成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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