受験ノウハウ

平川先生の小論文講座53―岡山大学(医学部医学科)2010年度―

[今回の過去問]
[岡山大学(医学部医学科)2010年度目標45分
以下のエピソードを読んで、医師を目指す立場からあなたの感想と意見をまとめなさい。
(600字以内)

真央は医師免許取得後2年の初期研修を経て、3年目から小児科医として働きだしたばかりの若手医師である。
ある日新幹線に乗車中、車内アナウンスがあった。
「急病人が6号車で出ました。どなたかお医者様はおられませんか。」
真央は、はっとしたがすぐに躊躇した。
「子供の病気なら少しはわかるけど、大人の心筋梗塞とかだったら困る。」
そうしている間に、通路を見るからに医者らしい中年男性が腕まくりしながら6号車の方へ向かって行った。それを見た真央は少し安心しながらも、また別の心配が心をよぎった。
「子供たったらどうしよう」
そう思っている間に、再びアナウンスがあった。
「病人を降ろすために次の駅で臨時停車します。」
病人と思しき人物が、プラットホーム上待機した車椅子に乗せられるのが見えた。程なく、安堵に包まれた様子で先ほどの男性が戻って来た。真央は、ほっとすると同時に複雑な気分だった。

[第53回]
前回から岡山大学(医学部医学科)2010年度の問題の検討を始めています。今回は、「ドクター・コールは、単純に医師の側の意識だけの問題だけなのか、少し突っ込んだ議論がなされています。

「医師のモラル低下だけが問題か」

A子    「こんにちは、今週もよろしくお願いします」

平川先生「ええ、こちらこそお願いします。
     今日は、答案構成を完成させましょう。まず、岡山大学(医学部医学科)2010年度の
     テーマである『ドクター・コール』の定義をしてみましょう」

A子  「はい、「ドクター・コール』とは、電車や飛行機等で、急に具合の悪くなった乗客が出た時
  に、乗り合わせたお医者さんに、緊急の対処を呼びかけることをいいます」

平川先生「なるほど。では、この緊急時のお医者さんへの要請で、課題となることは何でしょ
     うか」

A子   「その場にいた医師の緊急対応ということから、2つの点が問題になると思います。
     1つは、非常時とはいえこの対処は、あくまで個々の医療関係者の善意によるものだとい
     うことです。
     そこで、前回先生が指摘されていた、医師としてのモラルの件が出てきます。
     『プライベートな場合まで関わりたくない』という病人に対する態度です。
     でも、それだけでは、個人の意識の低下だけの問題で終わってしまいます。
     『医者が悪い』、という結論が出るだけで課題解決にはなりません。片手落ちの気がし
     ます。だって、何だかんだいっても30数パーセンのお医者さんは、駆けつけるわけです。
     普通の人だったら、目の前で苦しんでいる人がいても関わりたがらない人がほとんどで
     す。
     やはり、お医者さんの人命優先の使命感は、大したものだと思います。
     それにもかかわらず、2度目は駆けつけたくないとなるのは、なぜか。私は、もう1つ
     考えるべきこととして、国にも責任がある、と思います」


平川先生「ほーう、いい指摘ですね。医者ばかり悪い、という訳ではないということですね。
     そうですね。国側、すなわち現行の法制度にも課題がありそうですね。
     では、どんな解決すべき事柄があるのですか」

A子  「はい、『ドクター・コール』は、通常の医療活動とは異なり、応急処置のために、そ
    の責任の所在のあいまいさが問題です。対応に誤った場合、誰がリスクを負担するのか。
    法により、線引きをして、負うべき義務の所在をはっきりすべきという面も否定できな
    いと思います」

平川先生「ええ、確かにそういえますね」

A子   「私、医者をやっている叔父がいるのですが、聞いてみたら、『もし対応が十分でなかった
     ら、せっかくの治療行為を責められることもある。友人の医師で、現に訴えられた例も
     ある』と話してくれました。
     叔父は、『医者が、急病の呼びかけに答えないからといって、医師は病人よりも我が身の
     方が大事だ、と思ってもらったら困る。いざ、要請に応えようとするには、昔と違って、
     医療関係者は、実は相当のリスクを覚悟で臨んでいるんだ』と言 っていました」

平川先生「確かに、そうですね。『ドクター・コール』の問題としては、特に若手・医
     療従事者の社会的責任に対する意識の低さがあります。そして、その低さの
     ために『ドクター・コール』への対応が、若い医師ほど少ないことが、第1の
     問題です。
     次に、第2の問題として、緊急医療における法整備を、国会と行政がサボ
     って、医師個人の善意に任せているという無責任な姿勢が指摘されますね」

A子   「ええ、私、課題は、ただ、急病人だけのことではないと思います。
     これからの高齢化社会で、認知症等のお年寄りへの対応でも同じ様に解決を要する
     事柄となるのでは、と考えます。国として、十分に対処すべき案件です」

平川先生「なるほど、よく考察しましたね。では、そろそろ定義と2点の問題を整理して、
     答案構成を完成させましょう」

A子   「はい、まず、定義です。
     『ドクター・コール』とは、電車や飛行機等で、急に具合の悪くなった人が出た時
     に、乗り合わせたお医者さんに対処を呼びかけることをいう。
     課題点は、
     ①医師を養成する側の問題として、医療従事者が社会的責任を自覚するような教育
     を医学部時代に施す必要があること。

     ②国側の問題として、緊急時の医療行為について、責任の軽減、免除の法的な対応
     を早期に定めるべきであること。

     以上を踏まえて、設問のケースの感想、そして考えを述べる、という展開になります」


平川先生「おおむね、構成ができたようです。では、次回はこれに基づいて答案を完成
     させましょう」

A子  「はい、分かりました。今日はありがとうございました」

平川先生「こちらこそ、では来週も、合格目指して頑張りましょう!」

【合格する小論文のヒント】
「社会的出来事に関心を持つとともに、ことの本質は何かを考える」

今回の医師の緊急対応の問題も一見、医者の社会的役割に対する意識の低さだけのように思われる。しかし、よく考えると深刻な課題がそこには、潜んでいる。
物事は単純ではない。普段から、社会の出来事に関心を持ち、ことの本質は何か、考える習慣をつけよう。
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平川先生の小論文講座53
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
~~~~
略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。

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