本日は、平川先生の小論文講座第20回目をお届けします!
[設問] 福岡大学(医学部医学科)2009年度(40分)
「次の性別・年代別喫煙率の推移の図を見て、言えることおよび考えられることを列挙し、最後に医師をめざすあなたの喫煙に関する考えを述べなさい」
【近年の動向図】成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)
[これまでの話]
前回まで「医療崩壊の社会構造」という、現代医療が抱えている問題を検討してみました。
今回は、喫煙について考えます。
「たばこは、百害あって一利無し」です。しかし、国は、「個人の嗜好品」という面もあると、深刻な健康被害について、積極的な対策を取らないできました。
ところが、2020年の東京オリンピック開催に向けて、日本に対する世界の関心が高まる中、政府の消極的な禁煙対策は、国際的な批判を浴びることになりました。
国も、ついに、2018年7月18日の国会において、受動喫煙防止法を制定し、喫煙被害に対して、本腰を上げることになりました。
今回は、このたばこ問題について、考えます。
[今回(20回目)]
「資料から特徴をつかむ」
平川先生「まずは、資料の図から何が分かるだろう」
A君「はい、まず、性別の特徴をいうと、男性の喫煙率は、ここ50年で80%台から30%弱に減少しています。昔は、成人男性の圧倒的多数がたばこを吸っていたのが、今や少数派になっていることが、分かります。年代別の傾向でも、全年代で吸う人が減っていることが指摘できます」
平川先生 「確かに、そうだね。男性の場合、全体に喫煙率が低下しているのが、特徴だね。
では、女性の方は、どうだろうか」
A君 「はい、半世紀で20%台から9%台に半減しています。
女性の場合も男性と同じように、全体としては喫煙率は低下傾向といえます。
ただし、40代の女性は若干、増加傾向にあります。ちょっと気になります」
平川先生 「その通りだ。
喫煙については、その害が広く知られ、欧米では、麻薬と同様の依存症の一種と捉えられている。
それなのに、唯一、40代の女性での増加とは、一体どういうことだと思うかね」
A君「女性の社会進出との関係があるかと、思います。
40代というと、家庭を持っている女性は、一般に子育てが一区切りついた世代です。社会に再び復帰して、家庭と仕事との間で、ストレスがたまり、それが喫煙に結びついているのではないでしょうか。
また、同じ40代でも、独身の女性の場合は、若い容姿を保ちたいとダイエットのために喫煙に手を出す人もいると聞きます」
平川先生「なるほど。
男性の場合と異なり、一旦家庭に入った女性の社会復帰は、現実には、本人達にかなりの負担となっていることをかいま見るね。また、独身の女性の場合は、女性故の悩みもあるということだね。
おおむね、性別、年代別の喫煙率の推移の分析は妥当だと思います。
では、以上の現状を踏まえ、考えられることは何だろうか」
A君「まず、社会全般で、喫煙が癌や心筋梗塞を始めとして健康に害があることが、常識となってきたことが挙げられます。さらに近年では、喫煙者だけでなく、たばこは、受動喫煙として周囲の者に、より有害であることが広く知られるようになりました。今まで以上に、健康への害が深刻なことが分かってきたことが指摘できます。
こうした認識の高まりの中、最近では、禁煙は病院や公共交通機関ばかりではありません。ごく身近な街中の飲食店でも全面禁煙のところが、増えてきています。
社会全体として、たばこの害をどうするかという雰囲気が出てきたことが、大きな変化の要因だと思います」
平川先生「そうだね、喫煙の害の重大さが、社会全体の共通認識になってきたことが大きいね。
では、医師をめざすA君として、この問題に対してどう考え、対応するか。
次回、考えてみましょう。お楽しみに」
[本日の講義のポイント]
「一部大学の不祥事に振り回されず、合格の力を付けよう」
一部医学部の入学試験での不祥事が伝えられています。報道によれば、女性受験生や3浪以上の男子受験生に対して、小論文の採点時、不利な扱いをしていたとか。医学部・小論文の指導をしている者としては、なんともやりきれない思いがします。
何よりも、一部大学の対応は、皆さん医学部受験生をバカにしています。強い憤りを感じます。
今回の事件を機会に、医学部・小論文に対する大学当局の公正な対応を求めます。
不正をはねのけるような、十分な実力を付けましょう。
皆さんは、正々堂々と実力で合格してください。
スクール東京は、今まで以上に医学部受験生を応援します。
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スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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