[今回の過去問]
秋田大学(医学部医学科) 2009年度 目標60分
次の文章を読んで、以下の質問に答えなさい。
著作権の関係により、問題文は省略させていただきます。
設問1 文中の「ノーマライゼーション」とは何か、200字以内で説明しなさい。
設問2 「ノーマライゼーション」を実現するためにはどうすればよいか、あなたの考えを
400字以内で述べなさい。
【これまでの話】
ここ4週にわたり、国立大学・医学部の小論文を検討しています。
今週は、設問1で資料を要約し設問2で、そのまとめた用語について考える小問形式になっています。
[第85回]
「ノーマライゼーションとは?」
A子 「今週も、よろしくお願いします」
平川先生「こちらこそ、よろしくお願いします。今回から秋田大学(医学部医学科)の問題をやってみましょう。テーマは『ノーマライゼーション』です。2020年夏には、東京オリンピックがあります。同時に開催されるのがパラリンピックです。『障害』について、考察するいい機会です。出題される可能性も高いと考え、取りあげてみました」
A子「なるほど。BS・NHKなど、よくパラリンピックのアスリートたちの
特集をやっていますね」
平川先生「そうです。以前は障害者の参加するパラリンピックがテレビでとり上がられることは、まれでした。随分、変わりましたね。では早速、設問1から見てみましょう」
A子「はい。設問1は『ノーマライゼーション』とは何か。設問文前半の
まとめをすればよいと、思います」
平川先生「そうです。では、設問2は、どうですか」
A子「えーっと、後段において『ノーマライゼーション』実現に向けて、問題となるのが、障害者に対する考え方です。2つの考え方があります。1つは、『医療モデル』。そして、もう1つに、『障害モデル』があります。『医療モデル』は、障害は人として有する機能や能力が低下していると、考えます。医療はその劣っている機能や能力を向上させるためにある、と考察します。一方、『障害モデル』は、機能や低下を問題とすること自体がおかしい、と考えます。機能の低下により社会適用が阻害される要因を除くことこそが、社会や周囲の役割と考えます。
一言で言えば、『医療モデル』は、問題は障害者にあると捉えるのに対して、『障害モデル』は、問題は障害者と健常者を隔てる『環境』にあると、考えます」
平川先生「そうですね。そんなところでしょうか。では、A子さん、今話したことを基礎に、答案構成をしてみましょう」
〈注〉答案構成とは、出題文で問われている事柄について、重要語句の定義、問題点を整理し、表にしたものです。答案として書くべき事項を、簡単にしたものです。
A子「はい、分かりました」
〈以下が、A子さんの作成した答案構成です〉
A子「先生、できました」
平川先生「うん、おおむね取りあげられていますね。もう少し、『医療モデル』『障害モデル』の相違点を整理しましょう。『医学モデル』は、障害を医療の対象とだけ捉えているのに対して、『障害モデル』は障害というものは、障害者と健常者の間の環境にあり、社会としてどう対応するのか、という捉え方をしています。
設問2に答えるためには、この2つのモデルの違いが大事です。
なぜか、分かりますか」
A子「うん、何でしょう。分かりません」
平川先生「人間として等しく扱われるべき、ということ。これが、まだまだ社会には定着していないからです。
多くの人は、障害者を見ると、馬鹿にすることはないが、少なくとも『かわいそう』『気の毒に』と思ってします。しかし、それではいつまでも対等の意識は芽生えない。そんな意識の底には、『障害者は、健常者よりも劣っている。病気だから治療する必要がある』という偏見が、根強く残っているからです。かつての『医療モデル』と、同じ考え方です」
A子「そうですね。確かに、障害のある人を見ると、私なんか真っ先に『かわいそうだわ』と思ってしまいます。でも、そんな考えの人がいる限り障害のある人たちが、社会で対等に生きていくことにはならないんですね」
平川先生「はい、今回の問題は結構、深いことを聞いている問題でした。次回は、もう少し今日の議論を踏まえて答案構成を整理しましょう。その上で、一気に答案を完成させたいですね」
A子「分かりました。医学の道って、生身の人間の生活に関わっていて深いですね。合格して、早く皆さんの役に立ちたいです」
平川先生「そう、その気持ちを忘れないで。あと少しだけ、頑張りましょう。入試が近づくこの時期、どうしても余裕がなくなります。毎日、緊張が続きます。だからこそ、合格の先にある、なりたい医師の姿をイメージして、毎日の勉強を乗り切ってください。『継続は力です』よ、A子さん。
そろそろ、時間です。この続きをお楽しみに」
A子「はい、今日はありがとうございました」
【今回のポイント】
「答案構成は、丁寧に」
センター試験まであと2ヶ月ほど。泣いても笑っても、あとちょっと。こんなときだからこそ、基本に忠実に。小論文作成でいえば、出題者の題意を読み取り、述べる点を整理する答案構成が大事です。中途半端な構成はしない。
簡潔でいいですから。ちゃんと構成してから、書くようにしましょう。
この作業だけで、実は書くべきことが整理されます。あとは、一気に迷うことなく答案を書き上げることができます。
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スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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