受験ノウハウ

平川先生の小論文講座㉖ ー杏林大学医学部(センター利用、2008年度)ー

本日は、平川先生の小論文講座第26回目をお届けします!

[今回の過去問]
「杏林大学医学部(センター利用、2008年度)
「あなたが考える良い医師とは」について、述べなさい。
(800字以内。60分)

[第26回]
あと4ヶ月

センターまで、あと4ヶ月あまり。小論文はどう書けばよいのか、多くの受験生が頭を痛めています。
そこで、今回から入試本番までの間、基礎に戻ります。
「合格する小論文の書き方」を基本から、お伝えします。
これからの講義で、皆さんの医学部・合格を確かなものにしてください。
講師は、平川治先生、生徒はスク男君です。

まずは、設問に線を引く。

平川先生:「何をどう書いたらいいのか。
最初に、設問を読みましょう」

スク男:「え、そんなことだけでいいのですか。小論文を書くにあたっての、心構えみたいなものは必要なのでは。少なくとも医学部・小論文という以上、必要最小限の専門知識のようなものはいらないんですか。」

平川先生:「いりません。高校の授業で、君が学んだ範囲の理解と知識だけで十分です。
問題なのは、専門的知識の有無ではありません。読む力です。
小論文が『書けない』と思っている人のほとんどが、
まずは設問をちゃんと読んでいないことこそが、解決すべき課題です。
読んでいないから,何を聞かれているのか分からず、『書けない』だけなのです。
だから、最初に、設問を読むことから始めましょう。
至極、当たり前のことから進めます。
ただし、ただ漠然と読んでみるだけでは、
いつまでたっても、出題の意図を把握するようにはなれません。
どうしたらいいと思いますか」

スク男:「うーん、言葉を1つ1つ大事にして、何度も読んでみます」

平川先生:「まあ、抽象的には間違っていませんね。
でも、それができているなら、ここで私の講義を聞いていないでしょう。
第1、限られた時間で、丁寧に、何度も読んでみることが出来ますか」

スク男:「……、出来ません。そうですね。でも、どうしたらいいのですか」

平川先生:「実は、簡単な方法があるのです。
それは、設問に線を引くことです。これだけでいいのです。
どこに線を引くかと、注意して読む。
それだけのことで、問題文のメリハリが見えてきます。
何が大事か、飛び出すように分かってきます。
その際、できればピンクかブルーのマーカーで色分けができると、ベストです。
マーカーが使えない場合は、10Bの鉛筆を使用するのがよいでしょう。
この10Bの鉛筆は、普段の勉強でも使うべきものです」

スク男:「10Bの鉛筆ですか。Bとか、2Bなら聞いたことがあるのですが、10Bとは、そんな鉛筆があることも知りませんでした。10Bを使う意味は,何ですか」

平川先生:「まずは、書きやすさです。
柔らかいので、とにかくスムーズに書けます。
次に、思ったことを、素早く書き留めることができる。
設問に線を引くときにも、サッと一筆でできて時間短縮にもなります。
おまけに、消しゴムですぐに消すことも可能です。
細かなことと、思うかもしれませんが,こんなことも実践では大事です」

スク男:「そこまでやるんですね。うーん、考えてもみなかった」

平川先生:「そうです。合格するためには、筆記用具1本まで、こだわるのです。

では、早速、医学部・小論文の代表的な論点である、あるべき医師の姿について、2008年度の杏林大学医学部の問題、『あなたが考える良い医師とは』について、検討していきましょう。
さて、スク男君、設問のどこに線を引けばよいだろう」

スク男:「『良い医師』だと思います」

平川先生:「そうだね。これが主題だね。次は、どうすればよいのだろう」

スク男:「えーと、分かりません。『良い医師』について、自分の考えを書きさえすればと思うのですが」

平川先生:「しかし、『良い医師』というのは、どういう人のことを指すのだろう。この言葉の定義をハッキリさせることが、まず大事なんじゃないだろうか。単に,自分の意見を書くのでは、感想文に終わってしまう。
ところで、大事なことだから、聞きますが、スク男君、小論文とは何ですか」

スク男:「えーと、短めの論文のことだと思います」

平川先生:「そうですね、概ね正しいです。もう少し正確に言えば、小論文とは、ある事柄について、論理的に書かれた短い文章のことをいいます。だから、概念をしっかりさせて、論理の流れを明確にする必要があります。
その論理性を、出題者は聞いています。
本問でいえば、出発点として,『良い医師』の定義を述べることが,必要不可欠になりますね。

さて、今回は1回目として、設問に線を引き、その引いた語句の定義を明らかにする必要性を勉強しました。
次回は、この『良い医師』の内容を考え、答案の柱の組み立て方を検討します。
お楽しみに」

【合格する小論文のヒント】

「小論文は感想文ではないことを、理解する」

小論文とは、感じたり思ったりしたことをまとめた感想文とは、異なります。論理的に自己の見解を述べていく必要があります。
そこで、1つ1つの概念を明確にすべきであり、定義を述べる必要があるのです。

* * * * *

[メルマガ「ちょっとした小論文の作法」を始めました]
ブログでは、語り尽くせない、「書くコツ」をメルマガ(無料)で、 お伝えします。
ご登録を、お願いします。
https://hope-ex.jp/fx12617/O5yIHf

* * * * *
「平川先生の小論文講座」監修者
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
~~~~
略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。

▼本日も、ブログ記事を読んでいただき、ありがとうございました。あなたの1クリックは、私が記事を書く、大きな原動力となります。以下のバナーをクリックして、ランキング・アップに、ご協力ください。

にほんブログ村 受験ブログ 医学部・医療系受験へ

クリック、ありがとうございます!

【成川豊彦の関連ホームページ】
● 成川豊彦オフィシャルサイト「合格の森※成川先生の「元気が出る動画」が満載!
○ 司法試験・予備試験専門の個別指導予備校「スクール東京
├ お悩みやご質問は、お気軽に成川先生へのメール」まで。
└ 全国どこでも、講演に駆けつけます! お気軽に成川先生・講演のご依頼」まで。

【司法試験・予備試験の個別指導校「スクール東京」のおトク情報】
フェイスブック
ツイッター

関連記事

  1. 受験ノウハウ

    平川先生の小論文講座88―久留米大学(医学部医学科) 2014年度―

    [今回の過去問]  2014年久留米大学(医学部医学科)「時代を見…

  2. 受験ノウハウ

    平川先生の小論文講座㉚―慶應義塾大学 2005年度―

    本日は、平川先生の小論文講座第30回目をお届けします![今回の…

  3. 受験ノウハウ

    「息子のことは、できない」

    -----------------------------------…

  4. 受験ノウハウ

    「1つのフレイズ、1つの単語に着目します」

    医学部受験生のあなたへ。今、朝4時。私は、受験生から情報をもらったり、…

  5. 受験ノウハウ

    「自分で自分を強くする、無料トレーニング」

    受験生活を送っていると、体調を崩したり、気が滅入ったりすることがありま…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Amazonにて、電子書籍版・ペーパー書籍版発売中!

Amazonにて、電子書籍版・ペーパー書籍版発売中!

2024年10月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

  1. 受験ノウハウ

    「実力があるといっても・・・」
  2. 受験ノウハウ

    「知識は狭く、応用は広く」
  3. 受験ノウハウ

    「医学部合格に関係ない、弁護士だが・・・」
  4. 受験ノウハウ

    「いつまでたっても、分からないことはある」
  5. 受験ノウハウ

    「基本力があればあるほど、医学部合格は早く、確実に」
PAGE TOP