受験ノウハウ

平川先生の小論文講座⑨

本日は、平川先生の小論文講座第9回目をお届けします!

[設問]
ドクター・ショッピングという言葉を聞いたことがあるだろうか。
何も医者を買い漁るわけではない。診断や治療に納得できず、何カ所も医療機関や医者をたずね歩くことをいう。

(中略)
ドクター・ショッピングは昔からあるが、現代医療の高度化、細分化によって生み出された産物である。医師は自分の分野にこだわり、患者の身体症状の原因が他領域にあることに気づかない。そして高額な検査を繰り返す。これが医療財政を圧迫し、患者へは精神的・身体的負担が大きくのしかかるのである。
この様な弊害から脱却させようという試みが総合内科などでの、全人的医療なのであるが、全身をみること、全科的にみることが、全人的医療と勘違いしてはいけない。全人的医療とは、生物学的、社会的、心理的、倫理的、総合的な存在として患者を診ることである。すなわち、患者を診るとき、「疾患だけ」を診るのではなく、「その人」を診ることが、全人的医療の基本なのである。

小野繁「ドクター・ショッピング」新潮社より
文章を読んで、あなたの考えを600字以内で書きなさい。
信州大学(医学部医学科)2007年度(60分、600字以内)
[紙面の都合で、問題文の一部を省略しました]

[これまでの話]
前回で、A君は、杏林大学•医学部の過去問を通して、「良い医師」に必要な資質について検討しました。
今回から、現代の医師を取り巻く問題点について、小論文を通して、考えていきましょう。

[今回(9回目)] 「形を決めて書く」

A君「現代の医療の限界について、ですね。こんなに深刻な問題も出題されるのかと、驚きました」

平川先生「そうだね。他の学部入試の小論文との違いだね。医学部•小論文では、医師の資質として、単に論理的な思考力だけでなく、社会的に話題となる事柄もよく聞かれる。本問も、一見すると現代医学における問題を尋ねている。だが、その根底にあるのは細分化して、肝腎な患者の姿を見失いがちな、現代医療に対する問題意識を聞いている。
誰も一度は、経験する話だよ。大きな病院は、確かに施設は素晴らしい。しかし、多くの診察科に分かれていて、どこの科に行けばよいか、分からない。仮に受診する科が明らかになったとしても、2時間、3時間と待たされる。しかも、いざ診察となると、わずか3分程の表面的なもの。「こんなので、本当に私の病気は治るのか」と、誰もが思う。
出題者自身が、自分たちの仕事の弱点を指摘している。そして、今日の医療に代わるものとして、全人的医療を提唱する。さて、君は、この出題にどう答える」

A君「まずは、『ドクター・ショッピング』の定義を書きます。深刻な問題といっても、答えるのは受験生です。難しいことは書けません。基礎的なことを押さえます」

平川先生「そう、最初に定義だね。言葉の意味がしっかりとらえられていれば、どんな問題でも、それなりに書ける。ところで、今回の問題で、小論文の勉強にとって学ぶべき点は何だろう。この講座も9回目だというとことを、ふまえて考えてみよう」

A君「うーん、何かな。分かりません」

平川先生「形だよ。小論文には、設問に合わせて、大まかだけれど、書き方の『形』がある。例えば、今回のような、資料を読ませつつも、『ドクター•ショッピング』について問うような問題は、定義を述べ、その後に定義から導かれる問題点を述べればいい。ある程度の『書き方』のパターンを決めておくと、難しいなと思うテーマも、必要最小限のことが書ける。それだけ合格が確実になるんだ」

A君「なるほど、確かに、文章を書く手順が、あらかじめ準備してあれば、試験本番で予想外の問題が出ても、なんとか書けますね」

平川先生「その通りだね。では、本問で、『ドクター•ショッピング』の定義の後に、続く問題点は何か、と言いたいところだが、時間となりました。続きは、来週に。お楽しみに」

[本日の講義のポイント]   「定義を大事に」
前回、言葉をただ覚えるのは、意味がないことを述べました。ただし、医学部受験で最低限、知っておくべき用語の意味は、あらかじめ理解し、しっかり覚えておくべきでしょう。
では、どんな語句を、定義として準備しておくべきか。それは過去問の表題に出ているものだけで十分でしょう。20前後をまとめればよいと、思います。題材は、市販の医学部向けの小論文の過去問集で、繰り返し出ている語句でよいでしょう。

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スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。

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    平川先生の小論文講座㉙ ―慶應義塾大学 2005年度―
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