[今回の過去問]
愛知医科大学〈小論文一日目〉(2016年度) 60分
以下の判じ絵を見て次の問いに答えなさい。
1)この絵は何を示した絵か推測し、その理由を 100 字以内で書いてください。 2)この絵に描かれた 2 つの素材を用いて「人を愛するということはどういうことか」を 500 字以 内で書いてください。
[第42回]
前回で、小問1)上記の絵が何を示した絵かを検討し、小問2)「人を愛するということはどういうことか」について、答案の構成をしました。
今回は、いよいよ書き上げます。
〈注〉1月22日の国際医療福祉大学・医学部、愛知医科大学を初めとして、全国の私立大学・医学部の入試が、始まります。
そこで、前回より、ユニークな出題で知られている愛知医科大学を取り上げています。
典型的な医学部・小論文の対策とともに、どうしたら「奇抜」と思えるような問題に応えることができるか、スク男君と議論を進めています。
愛知医科大学を始め、同様の傾向の出題をする医学部・小論文への対策となれば、幸いです。(平川治)
「『奇抜』と思われる問題も、設問に沿えば難しくない」
▼平川先生「前回で小問1)、2)それぞれの答案構成を終えました。
では、スク男君、これから答案を書き上げてください」
スク男「はい、分かりました」
(しばらくして)
以下がスク男君が、書いた答案です。
小問1)
この絵は、「きりぎりす」という言葉を示している。
2本のきりが描かれ、1本目と2本目の間には濁点があり、「ぎり」と読める。さらに背景にくもの巣があることか ら、「す」と読み取れるからである(93 字)。
小問 2) 「人を愛すること」とは、相手を思い、相手の考え、感情を何よりも大事にすることである。
「きり」とは、先が鋭くとがった金属でできており、穴を空ける工具として使われる。 まるで「きり」のように、相手に対して尖った鋭い言葉で応対したらどうなるだろうか。 たちまち、その人の心に穴が空き、苦しめることになるだろう。愛するとはいえない。
「くもの巣」とは、細い糸ではあるが、巧みな網により、相手を捕らえて、自由を奪う。人との自由を奪うように 精神的にも、物理的にも拘束したらどうだろか。これも、その人を愛しているとはいえない。
愛する気持ちを持って、人に接するのは、何も自分の好きな人だけを対象とするとは限らない。
特に、医療の現場では、病気に苦しむ人たちに接するに際して、愛する気持ちが不可欠である。年を取っていよう が、若かろうが、金持ちであろうが、貧しかろうが、人として、最大限に尊重することが大切である。
なぜなら、自分がかけがえない存在として扱われてこそ、患者は、私たち医療関係者を信頼し、自らの命を委ねる からである。
「人を愛する」ということは、医療において、とりわけ強く求められるものと考える。 (488 字)
▼平川先生「まず、小問1)については、設問文を丁寧に読んで、自分なりの答え
を出しています。分かったことだけを書いている。余計なことは書
いていません。評価できます」
スク男 「ありがとうございます。先生が、前回言われたように、愛知医科大学
の主張する『医師として求められる倫理的価値判断、感性、コミュニ
ケーションーション能力』に沿う答案を、心がけました」
平川先生「そうです。言い換えれば、求められているのは常識です。
医学部だからと、難しく考えない。社会通念で、この絵を見て
『何を伝えたいか』、それだけを聞いている、ということです」
スク男 「はい、素直に見たままを書きました」
平川先生 「それで結構です。
では、次に設問2)を見てみましょう。
前回の答案構成に基づき、『きり』は、人の心に穴を空け、
苦しめる存在。『くもの巣』は、相手を捉えて、自由を奪う
ことと、それぞれの特性を踏まえた、論理の展開がなされて
います。
『人を愛するということはどいういうことか』
というテーマに、うまく結びつけていますね。
最後は、医療の現場に、つながっています。
よくまとめましたね。
あなたなりの論理が述べられています。合格答案です」
スク男 「ありがとうございます。素直に問題文に、取り組めばいいだけ
なんですね。力まずに淡々と、書きました」
平川先生「それで十分です。
さて、来週はセンター試験も終わり、いよいよ私大・医学部の
入試が始まります。直前対策として、難易度も高く、毎年多く
の受験生が受ける近畿大学・医学部の問題を検討したいと、
思います。
スク男君を始め、受験生の皆さんは、入試直前のこの時期、精神的
にも肉体的にも疲れがたまっている頃です。
どうか、無理をせずに。十分な睡眠を取るようにしてください」
スク男 「はい、ありがとうございます。マイペースを心がけます。
来週もよろしくお願いします」
平川先生「了解しました。夢を実現するために、
あと少しだけ頑張りましょう!」
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平川先生の小論文講座42監修
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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