[今回の過去問]
近畿大学医学部(平成21年度 後期試験)
論題 「医療崩壊の社会構造と解決策」(40分 400字以内)
[第39回]
前々回、前回に渡って、医療崩壊の原因を考えてみました。
国民の健康を守るべき分野において、量的にも質的にも深刻な問題があることが分かりました。今回は、その解決策について、少し議論をした後、スク男君に答案を書いてもらいます。
「医療崩壊の対策を考える」
▼平川先生「前回まで、医療崩壊の原因を量的側面と質的側面の2面において、
検討してきました。今回は、原因が明らかになったのを踏まえ、
その対応を考えて、答案を作成してもらいます」
スク男 「はい、分かりました」
▼平川先生「では、対策としては、どんなことが考えられるでしょうか」
スク男 「まず、量的な側面としては、都市部と地方の医師の偏在が問題で
ある以上、その是正です。
また、質的側面では、小児科、産婦人科を専門とする医師の育成
です。いずれも、全国規模での問題なので、国として取り組む
必要があります 」
平川先生「そうですね。では、患者の側の問題は、どうしますか」
スク男 「前回で話題になったモンスター・クレーマーのことを考えると、
国民の医療に対する意識を変えることが必要ですね」
平川先生「なるほど。先日、麻生財務大臣が語っていましたが、自助努力
の視点に立つ、ということですね。
自分の不摂生を棚に上げて、『病気になったら健康保険がある。
いざとなったら国に頼ればいい』という風潮があります。
1人1人の国民が、健康は『日頃の食生活、生活習慣から』と
いうように、意識改革をする必要がありますね」
スク男 「そうですね。そうすれば、何でも医療機関の責任にするような
モンスター・クレーマーもいなくなるでしょうね 」
平川先生「おおむね書くべき事柄が出たようです。では、答案作成に取りかかって
てください」
スク男「はい、分かりました」
(30分後)
(以下が、スク男君が書いた答案です)
1、医療崩壊の社会構造
医療崩壊とは、地域の医療体制が安定的・継続的に成立しなくなることをいう。
(1)社会構造の量的側面は、①都市と地方の医師偏在がある。地方における個人の労働が、加重なためだ。
また、②産科・小児科医が少ないことが指摘される。激務が理由だ。
(2)質的側面は、①医師偏在によるサービス低下がある。
②一部患者の過剰な要求により、十分なサービスが提供されない。
③医療訴訟が増え、現場が萎縮していることが挙げられる。
以上の問題につき、国は認識が甘く、対策が遅れている。
2、解決策
国は、(1)①地域偏在の解消に向け、医師の労働条件を改善し、拠点医療施設の充実を図る。
②産科・小児科を重点に、地方への人的割当制度を創設する。
(2)①医師偏在によるサービス低下への対応策として、女性医師を活用する。
②一部患者の過剰要求、③医療訴訟の増加への対応策として、国民への啓蒙活動を充実させる等、積極的な対応をすべきである。 医療団体も、国の施策に協力し、研修等を行う。国民も自ら、医療への過剰依存を改め、意識改革をする。(394字)
平川先生「さて、短い文によくまとめましたね。最近、問題とされている女性
医師の対応も述べてあります。国民の意識改革も書かれていていま
す。出題者の意図に応える記述です。合格です」
スク男「ありがとうございます。先生と議論することで、書くべきことが整理
されます。正直、不安はあるのですが、これからは、自分1人で
答案構成できるようにすることが、僕の課題ですね」
平川先生「そうですね。過去問を使って、答案構成だけでもやってみてください。
センター試験も近づき、すべきことがたくさんあるでしょうが、
1日2、30分でも結構です。答案の構成だけでもしてみてください。
力が付きますよ。
さて、センターまで、残り3週間。その後は、本格的な私大医学部の
入試が始まりますね。私も、実践的な指導を心がけたいと思います。
そこで、来週は、予想外の問題が出たときの対応として、愛知
医科大学の問題をやってみましょう」
スク男 「愛知医科大学は、奇をてらった問題が多いことで有名ですね。
よろしくおねがいします」
平川先生 「こちらこそ。あと少しだけ頑張りましょう。来週をお楽しみに」
【合格する小論文のヒント】
「答案構成がしっかりできれば、書きやすい」
合格のコツは、題意に沿った答案を書くことです。
問題文を読んだときに、出題のポイントは何かを考えること
が大事です。答案構成を通して、整理するとよいでしょう。
そして、その題意が分かったら、筋道立った論理的な文章を
書くように努めます。書き終わったら、声に出して読み返し
てみましょう。
センター試験も近づき、慌たしい日が続きます。
時間のない場合は、答案構成だけでもやってみましょう。
合格が、より確実になります。
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平川先生の小論文講座39
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最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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