[今回の過去問]
2014年久留米大学(医学部医学科)「時代を見据えた理想の医師像」
目標60分
【これまでの話】
今週から来年2月末までは、医学部・小論文によく出される論点について、過去問を通して検討します。
[第88回]
「理想の医師像を考える」
A子 「よろしく、お願いします」
平川先生「こちらこそ。『時代を見据えた』理想の医師ということで、前回は、まず今の『時代』の特徴を考えました。つけ加えるならば、1つは、臓器移植が治療の一環としておこなわれ、iPS細胞の研究による再生医療の発展に代表される医療技術の進歩です。そして、先週議論した高齢化社会の到来。多方で、少子高齢化で、国に何でも求めることはできない。自助が、大事な時代です。さて、このような時代に、医師に求められるものは、何でしょうか」
A子「まず、専門性については、絶えず研鑽を積み重ねることです。
現代医療は高度に専門化し、技術も進んできます。
また、医療は生きた病気の人を相手とします。患者との信頼関係がなけ
れば、病気を治療することは困難です。コミュニケーションを取る努力
を怠らないことは必須です。さらに、医師一人の力では治療活動はでき
ません。そこで、スタッフとの意思疎通も欠かせないと思います」
平川先生「そんなところでしょうか、ではA子さん、答案の構成をしてみましょう」
A子「はい、やってみます」
しばらくして、
下記が、A子さんの答案構成です。
〈注〉答案構成とは、答案の柱となる事項を書き出し、表にして整理したものです。
平川先生「書くべきことの関係が、まとめられたようですね。では、書いてみましょう」
A子「分かりました。やってみます」
しばらくして
A子「先生、できました」
以下が、A子さんが記した答案です。
今の時代の特徴は、先が不安だ、ということだ。小子高齢化社会が進み、日本の人口は、数年前から減少を始め、高齢者の介護を高齢者がする「老老介護」が社会問題となっている。
人口減少による経済規模の頭打ちにより、国家財政も限界が見えている。
もはや、国民が単に国に要求さえすれば済む時代は、終わりを告げた。
その一方で、医療技術は臓器移植からiPS細胞を中心とした再生医療へと発展し、医学の専門性、高度化は格段と進んでいる。
このような時代において、あるべき医師の姿とは、いかなるものであるか。それは、患者の病を改善、治療するための存在という医師の自覚を持ちつつ、その専門性、技術性を高める研鑽をする努力を怠らない人であることだ。
病人の信頼を得られる人物である。
なぜなら、医療は患者から命を託されるからだ。その信頼に応えるためには、患者との意思の疎通、日常的な病人とのコミュニケーションが欠かせない。
また、病院退院後の日々の生活における健康管理の指導も、配慮する必要がある。
さらに、今日の高度な医療は看護師、検査技師、その他の病院スタッフとの連携がなければ、維持できない。そこで、看護師、検査技師などの医療スタッフ、病院スタッフとの日頃の意見交換も不可欠である。
(521字)
平川先生「うん、おおむね書けていますが、まだ多少、論理の流れが悪いようです。さて、どんな点でしょうか」
A子「えーと、なるほど、言われると、そうですね。前半の部分です。
不安だからどうなんだ、という『時代』の説明と後段の理想の医師像とが、かみ合っていないですね」
平川先生「その通りです。『時代』とのつながりを、整理して論理が流れるようにしましょう。後半で、同じ語句を何回も使っているのも気になりますね。もう一度、検討してみてください」
A子「はい、少し考えてみます」
平川先生「さて、そろそろ時間です。次週までに、どう直すか検討しておいてください。
来週は、問題点を修正して、答案を完成させましょう」
A子「はい、今日はありがとうございました」
平川先生「こちらこそ、ありがとうございました。来週もお楽しみに」
【今回のポイント】
「目標は、下げない」
大手予備校の模試の結果が、出そろいました。「気にしない」というのは、むりです。イライラが募る時期です。必ず、志望校を下げる人が、現れます。
しかし、下げるべきではありません。なぜなら、一旦目標を落とすと気が緩むからです。思考が、どんどんマイナスになるからです。
たとえ万が一ダメでも、次があるではないですか。
以前、現役受験で受けた医学部に、すべて落ちた生徒がいました。高校の先生だけでなく、親も見放すようなひどい成績でした。ほとんど0点に近い点数でした。いかに自分を客観視できていなかったか、その子は自身の愚かさに気付き、トイレに1時間籠り泣き、考えました。そして、「あと1回だけ受験させてほしい」と、親に頼みました。頭を下げました。それまでの意固地な態度を改め、周囲からの批判にも素直に応えるようになりました。
ただし、人から何を言われようとも、目標だけは絶対に変えませんでした。もちろん、万一に備え、滑り止めの大学を受験することはしましたが。
その次の年、必死に勉強した彼は、親に約束した通り第1志望の医学部に合格しました。それだけではなく、万が一と受けた医学部・数校すべてに合格しました。
夢を実現させた彼は、今、立派な医師になり、患者さんの命を助ける仕事をしています。目標を変えることなく、諦めなかったからです。
たかが試験です。大したことはない。受験できることに感謝して。最後の最後まで諦めないでください。
深呼吸3回、落ち着いて設問を読む。その際、線を引くことを忘れずに。あとは、試験終了時間ギリギリまで、設問に食らいついてください。
必ず、よい結果が生まれます。
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スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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