[今回の過去問]
慶應義塾大学2005年度50分600字以内
「諸君はこれから、さまざまな人々に出会うであろうが、弱さを持つヒトとはどのようなヒトであるか、あなたの考えを述べよ。そして、そのようなヒトにあなたが出会った場合、どのように関わっていくか、考えを述べよ」
[第31回]
前回、題意として慶應義塾大学・医学部は、弱者保護の視点の重要性を問うているのだ、ということを確認しました。今回は、いよいよ構成を終えて、答案を作成します。
「自らも、弱さを持つヒトとしての自覚を」
平川先生「前回で、自らが弱さを持つヒトとしての自覚を持ち、人々と接することが大事だということを議論しました。さて、具体的には,
どのように弱いヒトと関わればよいのでしょうか」
スク男「まずは、上から目線で馬鹿にしないことです。これから医師になる僕たちは、とかく難関の医学部に合格したエリートと思いがちです。そうではないんだ。自分も弱さを持ったヒトの一人に過ぎないという謙虚な意識を持つことを、忘れないことです。そこから、特に精神的・肉体的な弱者である患者に接するときには、優しく丁寧な関わり方をすることが、大事だということになります」
平川先生「そうだね。患者との接し方が特に、大切だね。つい最近も医学部ではないが、慶應大学のある学部のエリート学生が、未成年の女性をレイプしたとの報道がなされていました。自分はエリートだと、勘違いした未熟さが、招いた事件です。謙虚な姿勢が大切ですね。
さて、これで、1、弱さを持つヒトとは、結局、全てのヒトであること、2、どのように関わるかについては、自らが弱さを持つ存在として、謙虚に接する、との文章の大枠ができました。では、これから答案を完成させましょう」
スク男「分かりました」
(しばらくして、以下が、スク男君の書いた答案です)
1,弱さを持つヒトとは
人を、ヒトとして抽象的・一般的に捉えた場合、個人的側面と社会的側面に分かれ、個人的側面は、さらに精神面と肉体面に分かれる。精神面の弱さとは、意思が弱いことを、肉体面の弱さとは、病気になりやすいことをいう。ヒトは全て、幼年期には、その両面が弱く、青年期に成長し、強くなる。老年期には再び弱くなり、生涯を終える。社会的側面も同様である。したがって、弱さを持つヒトとは、全てのヒトといえる。
2、どのように関わっていくのか
わたしは、全てのヒトが弱さを持つ以上、他者の生命、生き方を尊重するように関わっていきたい。
個人的側面では、精神面は会話・交際などで支援する。
肉体面は、医師としての活動を通して貢献する。病気になる人の多くが、精神面も弱くなる。声かけや、カウセリングなどが重要だ。また、医療ボランティアなどの活動にも積極的に参加したい。なぜなら、医師は、病人に対して大きな責任を負っているからだ。
人間は、本来生まれながら平等である。しかし、生活の過程で、様々な要因により弱いヒトが生まれる。病人は、主に肉体面での弱いヒトである。医師は、弱者である病人がいるために(おかげで)、治者として強者の地位を得る。したがって、医療活動において、弱者である病人を治療する義務があると考えるからだ。
社会的側面では、弱さを持つヒトを傷つけないように、関わりを、丁寧なものにするよう心がけたい。(596字)
平川先生「答案構成に則って、論理が整理されて書かれています。出題意図に応える合格答案です。ただし、表記について、若干、手直しが必要でしょう」
スク男「そうか、まだまだ十分ではないですか」
平川先生「医学部入試まで、3ヶ月弱です。合格を、より確実にするために、
もう少し詰めましょう。スク男君も、どこをどう直したら,よりよくなるか考えてみてください」
スク男「はい、分かりました。頑張ります!」
平川先生「その意気です。次回は、表記のしかたについて検討します。
お楽しみに」
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平川先生の小論文講座31監修
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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略歴
昭和49年(1974年)
Wセミナー・グループを設立。
平成12年(2000年)
国際著名人年鑑「InternationalWHO’SWHOofProfessionals」に選出される。
平成21年(2009年)
司法試験・予備試験専門の少人数制予備校「スクール東京」の最高名誉顧問に就任。
司法試験・予備試験の合格に向けて、自ら直接指導。
現在
中国・西南法政大学客員教授も務め、教育・健康の分野において国内外で活躍中。
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